プリンセス☆ロード
「おい、みんな平気か―?」
しばらくして元気よく戻ってきたリュウに安心する。
ソウシも元気そうだ。
「紗南さん、大丈夫でしたか?」
「うん。レンが守ってくれたから」
「そうですか」
「それより、何かつかめたか?」
帰ってきた二人にレンが尋ねる。
「いや、逃げ足の速い奴で姿も見えなかったな」
「ですが、私たちを襲った場所はわかりましたよ。少し離れた民宿の屋上に同じ木の槍を見つけました」
「そうか」
結局、なにもわからないまま部屋の片づけを始めた。
そして、ある程度片づけた後、宿主のもとに謝りに出向いた。
「ヒッ!お、お前たち…」
謝りに向かったフロントで私たちの顔を見るなり顔をこわばらせる店主。
まるで化け物を見たかのような反応に、なんか感じの悪さを感じた。
「あの、部屋を壊してしまって…。すいません。修繕費はお支払いしますので」
「へ、部屋?あ、ああ…。お金を出してくれるなら、構わんよ」
「本当に、すいませんでした」
皆で深く頭を下げる。
「だ、だが、もうここには置いとけない。出ていってくれ!」
「え…。…そ、そうですよね…」
「わかりました。荷物がまとまり次第出ていきます」
戸惑う私の横でソウシがテキパキと対応する。
そうして私たちは荷物をまとめるためひとまず部屋に戻った。