私とねこ [短

幸せ

両親に聞いたら、快く承諾してくれた。

私がひとりっ子だと言うことが大きかったのだと思う。

「ところで名前は?」

そんなことを考えていたら、母からの問いかけ。

晩御飯を作る手を止めてこちらを見ている。

そういえば名前…決めてない。

1人でうーんうーんの唸っているのを見て、母は晩御飯作りを再開した。

「えー…うーん…、あっ!!古風だけどハクでいいかな!女の子でも男の子でも通じるし!」

実はまだ性別が分かっていない。

仔猫のうちは分かり辛いのです。

とインターネット様が言っていた。

その他にやることはたくさんあった。

準備するものも勿論。

まずはトイレ、砂、爪とぎ、ご飯、おもちゃ、ブラシ、首輪、ベッド。

トイレと砂、爪とぎブラシ、ご飯は必需品である。

その他に首輪には虫除けの効果のあるものを。

ベッドは…趣味というか…あればいいなっていう。

おもちゃは運動不足や、肥満にならないように必要なものだ。

これで必要なものは揃った。

ハクはカーペットの上で警戒心をあらわにしている。

尻尾がふくれている…??

折れてるっっっっっ!!!!!

「おかあさあん!!ハクの尻尾がっっ!!折れてるっっ!!」


動物に無知な私たち家族。

お母さんがすっとんできて、そのまま病院。

もしかしたら、抱っこして下ろす時に尻尾を変な方向に曲げてしまったかもしれない…とかいろいろ考えてしまった。

しかし獣医さんの答えは……

「問題ないですよ。これは鍵尻尾っていって、幸運をひっかけてくるっていわれてるんです。生まれつきなので問題ありません。」

にこにこしながらそう言ってくれた。

「鍵…尻尾。ハク、幸せ運んでくれるの?」

返事こそなかったが、じっと見上げてくるハクの目は、まるでそうだよ、とでも言いたげな瞳だった。
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