戦乙女と紅~呪われの魔槍の章~
当然私の訴えに答える事もなく、黒の旅団は姿を表す事無く次々と女神軍の兵を襲う。

このままでは全滅も時間の問題だ。

「くそ…一旦態勢を立て直す!!全軍、森の中から脱出する!!敵には構うな!防御に徹しろ!」

敵を前にして苦渋の選択ではあったが、兵の命には代えられない。

次々と飛んでくる矢を剣で払いながら、女神軍は何とか森からの脱出を図る。

…ようやく森の中から抜け出す頃には、多くの兵が傷を負っていた。

「くそ…」

悔しさに手綱を握り締める。

私が敵を前にして冷静さを欠いたのがいけなかった。

全て私の責任だ…。

そんな事を考えていた時だった。

「乙女!」

女神兵の一人が私に声をかける。

「大変です、紅様の姿が見当たりません!」

「何…紅が…?」

私はハッとした。

「まさか…まだあの森の中に…!?」











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