戦乙女と紅~呪われの魔槍の章~
漆黒にとどめを刺した俺は双剣を納め、槍を地面から引き抜く。

…地面に落ち、倒れた漆黒の骸。

その骸に十字を切る。

思えばこの男も、よい仲間にさえ巡り会えていれば、このような非業の死を遂げる事もなかっただろう。

せめて来世は、安心して背中を預ける事のできる仲間を見つけてくれ。

「さてと…」

漆黒を倒し、周囲を見渡す。

森の中には、まだ多くの黒の旅団の兵士の気配。

「弔い合戦ならば受けて立つぞ」

俺は槍を構える。

…ジリ、と。

砂利を踏みしめるような音が聞こえた。

…来る…!

意識を集中させる。

そんな俺目掛けて。

「!!!!!」

俺をも上回る疾風のような速度で、黒い影が突進してきた!!













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