戦乙女と紅~呪われの魔槍の章~
死神は笑う。

「戦乙女もただの小娘も、私に言わせれば似たようなものだ」

「侮るのは結構だが」

私は一気に死神に斬りかかった!

「負けた時の言い訳にはさせぬぞ!!」

渾身の力を込めた、上段からの振り下ろし!!

それを。

「!!」

死神は鎌の柄で受け止めた。

「軽いな。これで死神を斬るつもりか?」

そう言って彼女は、片手で巨大な鎌を軽々と振るう!!

咄嗟に身を引く私。

しかしその空振りの風圧が、私の銀髪を揺らした。

信じられない。

あの鎌は、きっと紅の持つ魔槍よりもずっと重量がある筈だ。

だというのに、それを女性の身で、しかも片手で。

「次はこちらから仕掛けていいのか?」

死神は斬りかかってきた!!

「!!」

速い!!

あれ程の大きな得物を持っていながら、こちらに反撃の隙を与えぬほどの速さで斬り込んでくる!

私ほどの騎士が、防戦一方とは。

「そらそらどうした!!戦乙女とはこのようなものか!?」

上下左右、縦横無尽に三日月状の刃を繰り出す死神。

その姿はまさしく死を司る不吉の使い。

一瞬でも気を抜けば、その魂ごと刈り取られそうなほどの攻撃だった。

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