戦乙女と紅~呪われの魔槍の章~
俺と乙女、そして死神。

両者はそれぞれの武器を構えて対峙する。

「この戦いを全ての決着としよう。お前達は手を出すな」

死神が黒の旅団の兵に対して言う。

「よかろう。こちらも私と紅以外は手を出さない」

乙女が言う。

…じりじりと、間合いを詰める乙女。

「いざ尋常に!!」

先に動いたのは乙女だった。

彼女らしい、正面からの真っ向勝負!

剣での連続攻撃を仕掛ける!

「正直すぎる攻めだな!」

死神はその場から動く事なく乙女の攻撃を捌く。

相変わらず巨大な鎌を、まるでナイフを扱うかのようにたやすく振り回す。

そして一瞬の隙を突き、乙女に対して大振りの鎌の一撃!

「つっ!」

咄嗟に身を引いたにもかかわらず、乙女の甲冑の胸の部分が大きく裂けた。

「乙女!」

「大丈夫…甲冑だけだ。体に傷はない」

俺の声に乙女が応える。

今度は俺が仕掛けた。

中距離から、槍の連続突きを繰り出す!

穂先の残像を残しながら、次々と襲い掛かる槍の攻撃は。

「遅いな」

死神の鎌の前に全て防がれた。

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