戦乙女と紅~呪われの魔槍の章~
…私はゆっくりと立ち上がり、呼吸を整えた。

死神は立ち上がってくる気配はない。

…この勝負、私達の勝ちだ。

「乙女」

紅が歩み寄ってきた。

「驚いたぞ…いつの間にあんな体術を」

「…私とて、貴方に負けてばかりではないという事だ」

私は微笑んで見せた。







決着がつき、私と紅は倒れた死神のそばに歩み寄る。

「…さぞや気分がいいだろうな」

呼吸を乱す死神。

その表情には憎悪が渦巻いている。

「これで私の生き方は否定された訳だ…私は手段を選ばぬ卑怯者の集団の長として、このまま野垂れ死ぬのだな…」

自嘲するような死神の言葉。

それでも、彼女に悔いる様子はなかった。

自分の歩んだ道に誤りはなかった。

誰に蔑まれようとも、後悔など微塵もない。

そんな態度だった。

…そんな死神に、私は呟く。

「見事な散り際だ。死神」

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