戦乙女と紅~呪われの魔槍の章~
嗚咽と共に、剣を地面に落とす音が聞こえた。
その音は一つ、また一つと増えていく。
…戦いを放棄し、黒の旅団の兵達もまた、我が国に来る事を決意してくれたのだ。
「大した女だな、お前は」
国に戻る途中、私の愛馬と轡(くつわ)を並べて紅が言う。
「お前にかかってしまえば、敵だろうが味方だろうが、みな心を許してしまう。正直に答えろ。お前本当に、戦女神の娘か?」
「馬鹿を言うな。れっきとした人間だ」
紅の言葉に笑いながら、私は言った。
「だが、必要ならばいつでも戦女神の化身と化すさ。私の身は国を守る為にある。これまでも、これからもな」
「そうか…ならば…」
紅は真っ直ぐに前を見据える。
「この身は常に戦女神の傍らにそよぐ風でいよう。時に傷を癒し、時に災いを吹き散らす風でな」
その音は一つ、また一つと増えていく。
…戦いを放棄し、黒の旅団の兵達もまた、我が国に来る事を決意してくれたのだ。
「大した女だな、お前は」
国に戻る途中、私の愛馬と轡(くつわ)を並べて紅が言う。
「お前にかかってしまえば、敵だろうが味方だろうが、みな心を許してしまう。正直に答えろ。お前本当に、戦女神の娘か?」
「馬鹿を言うな。れっきとした人間だ」
紅の言葉に笑いながら、私は言った。
「だが、必要ならばいつでも戦女神の化身と化すさ。私の身は国を守る為にある。これまでも、これからもな」
「そうか…ならば…」
紅は真っ直ぐに前を見据える。
「この身は常に戦女神の傍らにそよぐ風でいよう。時に傷を癒し、時に災いを吹き散らす風でな」