Destiny
だから私は携帯を捨てた―――。



もう我慢したり、苦しまなくていいように。



実際はそんなことで楽になれるワケじゃないことくらい解っていたけど。




――――


窓の外で降り続く雨は勢いを増し、ザーザーと凄まじい音を立てている。



もしかしたら、今頃、あいつから返信が来てたりするのかなぁ。

この雨だから、携帯が壊れちゃってるか…。


この後に及んでも、まだあいつのことが気になる自分に嫌気がさす。



深い溜め息が出た。
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