Destiny
「亜梨沙、電話よ」


そう言われて、一瞬ドキッとした。

もしかしたら、あいつではないかという淡い期待が胸を過る。


でも、家の電話番号は教えていないし、

そもそもあいつの名字は速水じゃない。



また期待して…。


ホント、馬鹿みたい…。




下へ降りて行くと、お母さんは通話口を押さえながら、

「速水さんって男の人。」

と言って、私に受話器を渡す。


ピンと来ない名前だなと思いながらも電話に出た。
< 24 / 51 >

この作品をシェア

pagetop