Destiny
私は速水さんを真っ直ぐに見ることができなくて、少し目線を逸らした。


「あの…携帯、拾ってくださって有り難うございます。」


「いえ、こちらこそ、こんな時間に呼び出したりしてすみません。
家の近くまで持って行ければ良かったんですが…」


そこまで言うと、少しはにかんで


「初対面の方に住所を聞くと、怪しい人だと勘違いされるんじゃないかと思って」


と、速水さんは続けた。
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