Destiny
「良かった」


速水さんは、まるで小さい子供をあやすように、ポンポンと私の頭を軽く叩いた。


心に温かいものが流れ込んできた。


さっきまでのザラザラした感情が、嘘のように消えてなくなっていく。


不思議な人…。


「じゃあね」


速水さんが、背中を向けて歩き出そうとした

と同時に、私は速水さんのシャツの裾を掴んでいた。
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