Destiny
咲いた、サクラ
「亜梨沙ぁ!!」


教室に入るなり、親友の美雪が泣きそうな顔で私のもとへ飛んできた。


「良かったぁ…」


私に抱きついた美雪の声は涙ぐんでいる。

かと思ったら、キッと私を睨み付け、突然パシッと両手で頬を挟むように叩いた。


私は訳が分からず、目をしばたかせる。


「どうして返事くれないの?!
何かあったんじゃないかって心配したんだから!
昨日の帰り、亜梨沙元気なかったし…」


あ…そっか。

美雪から何通もメールが届いてたんだったっけ。

速水さんのことで、すっかり忘れちゃってた。
< 42 / 51 >

この作品をシェア

pagetop