Destiny
私を抱き締めて、恥ずかし気もなくクサイ台詞を吐くこの男子は、私の幼なじみ“沢渡啓太”。


美雪より古い付き合いで、啓太とは小学生の頃からずっと一緒の学校に通っている。


いわゆる、腐れ縁ってやつかな。


そんな啓太に私は言い放った。


「あのねぇ…私は泣きたくもないし、もし泣きたくなっても、あんたの胸なんか絶対借りたくないっ!」


「亜梨沙ぁ…」


啓太はさらに瞳を潤ませる。
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