Destiny
「それでそれで、その速水さんってどんな男性(ひと)だったの?」


なるべく周りに聞こえないよう声を潜めて、でも強い興味を込めて、美雪が尋ねてくる。


「それがね…」


速水さんの顔を思い浮かべた瞬間、高揚したのが自分でも分かるほど、頬が熱くなった。


美雪はそれを見逃さなかったらしい。


「あー! 亜梨沙、赤くなってる!! もしかして、カッコイイ人だったの?!」


私はチラっと美雪の目を見てから、床に視線を移して答えた。


「うん…凄く」


「ウソっ! ほんとに?!」


美雪のテンションは最高潮に高まる。
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