ときどき
「弓弦やっほー!」
「ねーさっきさー、英語の小テスト、クラスの半分落ちたんだけどー!」
それから、志乃と真由は宣言どおりたびたびうちのクラスに訪れるようになった。
我が物顔で教室に乗り込む彼女らに、クラスメイトたちも特に意見はないらしい。
最初よりも視線を向ける時間が徐々に短くなってきている。
私は、真由の報告にぽかんとしながらも確認する。
「えっ?小テストって、単語のだよね?マジで?」
「マジマジ!あたし8点だった!」
「一緒ー!もう全然予習してなくてさー!先生マジギレ!」
志乃と真由はマジギレの甲斐もなさそうな笑い声をあげる。
反省しなさいよと思いながらもとりあえず笑っておく。
「嘘・・・」
一緒にいた渡部さんと足立くんは一方で素直きわまりない反応を見せた。
表情が完全にこわばっている。
「予習範囲として提示された20語がそのまま20点満点のテストで、8点なんですか・・・?」
「ちょ、そんな驚かなくてもさあ・・・」
「あたしらまだマシだって、2点もいたんだから」
志乃と真由はひょうひょうと言った。
ちなみに、合格のボーダーラインは半分以上。ひどい有様だ。
「直前の休み時間に見るぐらいでも半分は固いでしょう、普通」
「え?休み時間ー?休み時間は休もうよー、そんな大したテストじゃないじゃん」
「渡部さん、真面目すぎー」
「ほんと超真面目ー。ねー弓弦」
「だねー」
私は半笑いで同意したが、渡部さんの困惑したような顔と足立くんの馬鹿を見るような目に、少し肩身が狭い感じがした。
「ねーさっきさー、英語の小テスト、クラスの半分落ちたんだけどー!」
それから、志乃と真由は宣言どおりたびたびうちのクラスに訪れるようになった。
我が物顔で教室に乗り込む彼女らに、クラスメイトたちも特に意見はないらしい。
最初よりも視線を向ける時間が徐々に短くなってきている。
私は、真由の報告にぽかんとしながらも確認する。
「えっ?小テストって、単語のだよね?マジで?」
「マジマジ!あたし8点だった!」
「一緒ー!もう全然予習してなくてさー!先生マジギレ!」
志乃と真由はマジギレの甲斐もなさそうな笑い声をあげる。
反省しなさいよと思いながらもとりあえず笑っておく。
「嘘・・・」
一緒にいた渡部さんと足立くんは一方で素直きわまりない反応を見せた。
表情が完全にこわばっている。
「予習範囲として提示された20語がそのまま20点満点のテストで、8点なんですか・・・?」
「ちょ、そんな驚かなくてもさあ・・・」
「あたしらまだマシだって、2点もいたんだから」
志乃と真由はひょうひょうと言った。
ちなみに、合格のボーダーラインは半分以上。ひどい有様だ。
「直前の休み時間に見るぐらいでも半分は固いでしょう、普通」
「え?休み時間ー?休み時間は休もうよー、そんな大したテストじゃないじゃん」
「渡部さん、真面目すぎー」
「ほんと超真面目ー。ねー弓弦」
「だねー」
私は半笑いで同意したが、渡部さんの困惑したような顔と足立くんの馬鹿を見るような目に、少し肩身が狭い感じがした。