ときどき
そんな日が続いて終業式も間際になった頃、志乃と真由はいつもみたいに教室に入ってくるのではなく、私を廊下に呼び出した。
何かというのは何となくもう予想がついていた。
けれど、やはり言葉に出されると少しショックなものだった。
「渡部さんってさあ・・・うざくない?」
志乃の言葉に、私はぱちりと瞬きをした。
ん、あれ?どんな表情をして良いのか分からない。
これまでにないほどの動揺に、自分自身でびっくりする。
私が高校生になったからだろうか。最近聞いていなくて忘れたからだろうか。
いや、そんなんじゃない。
「なんかちょいちょい私賢いですアピールしてくるじゃん?なんか馬鹿にしてるよね」
「お前がくそ真面目なだけだっつーのっていうか」
「・・・・うーん」
私は曖昧に唸る。
肯定も否定もできない重い空間。この感じ、本当に久しぶりで。
やばい、どうしていいか分からなくなってきた。
「しかもなんか、足立くんにべったりだよねあの子」
「足立くんに話しかけてると分かってる風に口挟んでくるしさ」
「完璧彼女面だよね、単なる幼なじみであれはないっていうか」
「まあーーーー友達、足立くんぐらいだったらしいし・・・」
「うわー、やっぱりー?ほんと引くんだけどそういうの」
「足立くんいないとひとりじゃ何もできないの?超うざいんだけど」
「えとーーー」
彼女らの応酬に、いよいよ言葉選びが難しくなってくる。
下手に遠回しなフォローをしようとしても、新たな悪口の温床になってしまう。
ど、どうしよう。逃げたい。
ていうか、ひとりじゃ何もって・・・いつも二人セットで行動してるだけの子が言うなよ。
「ひとりじゃ何もできないのってお前らだろ」
一瞬心の声が転がり出たかと思ったが、それは私にしては少々低すぎる声だった。
志乃と真由の表情が明らかにこわばった。
足立くんだった。
いつもより数段冷ややかな目つきをした、足立くんだった。
何かというのは何となくもう予想がついていた。
けれど、やはり言葉に出されると少しショックなものだった。
「渡部さんってさあ・・・うざくない?」
志乃の言葉に、私はぱちりと瞬きをした。
ん、あれ?どんな表情をして良いのか分からない。
これまでにないほどの動揺に、自分自身でびっくりする。
私が高校生になったからだろうか。最近聞いていなくて忘れたからだろうか。
いや、そんなんじゃない。
「なんかちょいちょい私賢いですアピールしてくるじゃん?なんか馬鹿にしてるよね」
「お前がくそ真面目なだけだっつーのっていうか」
「・・・・うーん」
私は曖昧に唸る。
肯定も否定もできない重い空間。この感じ、本当に久しぶりで。
やばい、どうしていいか分からなくなってきた。
「しかもなんか、足立くんにべったりだよねあの子」
「足立くんに話しかけてると分かってる風に口挟んでくるしさ」
「完璧彼女面だよね、単なる幼なじみであれはないっていうか」
「まあーーーー友達、足立くんぐらいだったらしいし・・・」
「うわー、やっぱりー?ほんと引くんだけどそういうの」
「足立くんいないとひとりじゃ何もできないの?超うざいんだけど」
「えとーーー」
彼女らの応酬に、いよいよ言葉選びが難しくなってくる。
下手に遠回しなフォローをしようとしても、新たな悪口の温床になってしまう。
ど、どうしよう。逃げたい。
ていうか、ひとりじゃ何もって・・・いつも二人セットで行動してるだけの子が言うなよ。
「ひとりじゃ何もできないのってお前らだろ」
一瞬心の声が転がり出たかと思ったが、それは私にしては少々低すぎる声だった。
志乃と真由の表情が明らかにこわばった。
足立くんだった。
いつもより数段冷ややかな目つきをした、足立くんだった。