ときどき
「見るたびにずっと二人な気がするけど。言うこともやることも同じだし、正直言って区別つかないんだけど。よく同じような馬鹿みつけたな、おまえら」
足立くんの切れ味はいつもよりかなり鋭かった。
志乃も真由も、目を伏せて小刻みに震えている。
「浅野の友達だっていうから今まで口には出さないでやったけど、お前らって羞恥心の欠片もない卑しい生き方してるよな」
「・・・・」
「どう見ても馬鹿丸出しだろ。公然猥褻と同じ類で処罰されるべきレベルだな」
「ば、ばか丸出しって・・・」
二人は今まで面と向かって突きつけられたことのない敵意に、動揺を隠せない様子だ。
足立くんは、間違っても私が言いだせなかったような言葉を次々に吐いていく。
「お前らの生き方ってなんなの。なんと言うか、下賤だよな。なんで高校にいるってだけで社会的地位が俺と同じなのか理解に苦しむ」
「・・・・」
「よくおまえらそんな頭で由美のこと好き勝手に言えるな。自分が馬鹿だってのも分からないのか。由美はお前らが真っ当に判断できるほど薄っぺらい奴じゃないぞ。気づけ」
足立くんの論はなんだかすごい理屈だが、とにかく相手を卑下することが目的のようだった。
端的に言えば頭ごなしに「とにかくお前は馬鹿なのだ」と言い聞かせているようだったのだが、不思議と迫力があった。
よって、彼の言葉を咀嚼する間もなく、彼女達は恐れをなして逃げ去ったのだった。
「・・・・あ、ありがとう・・・」
私は、何と言って良いものか分からなかったが重い空間からは逃れられたので礼を言った。
足立くんは、息をつくと、私の方を見た。
その目つきは、依然鋭かった。
「お前さ、やっぱ馬鹿とつるんでると馬鹿になるもんだな。ああいうのが友達との付き合い方って言うのかよ」
「・・・・えっと」
「お前、あいつらのご機嫌とるために平気で嘘ついて自分のこと卑下するよな。駅前でネギと豆腐買ってたの誰だよ。なんでそこ嘘つく必要あるわけ」
「・・・・」
「由美のこと友達とか言っておいて、あいつらから滅茶苦茶言われてるのに、おまえ何も言わないのな。俺には普通に言い返すのに、なんであっちには言い返せないんだよ」
「だ、だって・・・」
私は目を白黒させた。
その理由は分かっているはずだった。
しかし、口に出せたものではなかった。
口ごもっている私を見かねて、足立くんは呆れたように息をついた。
「お前って、最低だな」
足立くんの切れ味はいつもよりかなり鋭かった。
志乃も真由も、目を伏せて小刻みに震えている。
「浅野の友達だっていうから今まで口には出さないでやったけど、お前らって羞恥心の欠片もない卑しい生き方してるよな」
「・・・・」
「どう見ても馬鹿丸出しだろ。公然猥褻と同じ類で処罰されるべきレベルだな」
「ば、ばか丸出しって・・・」
二人は今まで面と向かって突きつけられたことのない敵意に、動揺を隠せない様子だ。
足立くんは、間違っても私が言いだせなかったような言葉を次々に吐いていく。
「お前らの生き方ってなんなの。なんと言うか、下賤だよな。なんで高校にいるってだけで社会的地位が俺と同じなのか理解に苦しむ」
「・・・・」
「よくおまえらそんな頭で由美のこと好き勝手に言えるな。自分が馬鹿だってのも分からないのか。由美はお前らが真っ当に判断できるほど薄っぺらい奴じゃないぞ。気づけ」
足立くんの論はなんだかすごい理屈だが、とにかく相手を卑下することが目的のようだった。
端的に言えば頭ごなしに「とにかくお前は馬鹿なのだ」と言い聞かせているようだったのだが、不思議と迫力があった。
よって、彼の言葉を咀嚼する間もなく、彼女達は恐れをなして逃げ去ったのだった。
「・・・・あ、ありがとう・・・」
私は、何と言って良いものか分からなかったが重い空間からは逃れられたので礼を言った。
足立くんは、息をつくと、私の方を見た。
その目つきは、依然鋭かった。
「お前さ、やっぱ馬鹿とつるんでると馬鹿になるもんだな。ああいうのが友達との付き合い方って言うのかよ」
「・・・・えっと」
「お前、あいつらのご機嫌とるために平気で嘘ついて自分のこと卑下するよな。駅前でネギと豆腐買ってたの誰だよ。なんでそこ嘘つく必要あるわけ」
「・・・・」
「由美のこと友達とか言っておいて、あいつらから滅茶苦茶言われてるのに、おまえ何も言わないのな。俺には普通に言い返すのに、なんであっちには言い返せないんだよ」
「だ、だって・・・」
私は目を白黒させた。
その理由は分かっているはずだった。
しかし、口に出せたものではなかった。
口ごもっている私を見かねて、足立くんは呆れたように息をついた。
「お前って、最低だな」