狂愛ノ書~紅き鬼と巫女の姫~
そして三篠は敷かれていた布団に先に入る。
一人分空けてそこをポンポンと叩いて、私を呼ぶ。
わたしはゆっくりと布団に入って横になった。
すると頭は枕ではなく、三篠の腕の上に乗せられていた。
「…三篠、重くない?」
「これくらい問題ない」
短い会話の後、三篠は腕枕をしている手を私の後頭部に。
そして空いてる手は私の腰に回された。
自然な流れで引き寄せられて、私の顔は三篠の硬い胸板に触れる。
男の人と添い寝するのは初めてでこんなにも胸の鼓動はドキドキしてるのに、三篠の温もりはすごく安心する。
告白の緊張ですっかり目が覚めてしまってたのに、もう眠くなってきた。
三篠、お休み。
そう言いたかったのに、私は何も言えずに眠りについてしまった。
だから私には三篠が「小雛、愛してる…」と言ったことは聞こえなかった。
そして翌日、私を起こしにきた桔梗さんに朝から「三篠様ぁ!!」と三篠が怒られて、
朝食を食べている時に龍夢と瑠璃葉が「昨日はどこまでいったんだい?」とからかわれたのはまた別の話。