狂愛ノ書~紅き鬼と巫女の姫~




ゆっくりと起き上がって辺りを見渡す。




ここは私の家じゃなくて、和風の家の縁側にいた。




庭園は隅々まで綺麗に整えられていて、見ていてとても和む。




あれ、私いつの間に眠っていたんだろう。




確か三篠が血塗れで倒れてて、私の血を飲ませて……




「…み、三篠!」




立ち上がって三篠を探そうとするけど、目眩がしてまた座り込んでしまう。




「…ダメですよ、いきなり立ち上がるなんて。
鵺姫様は貧血で意識を失っておられたのですから」




女性が優しく私を抱きとめてくれた。




貧血で?
そうだよね、あんなに血を吸われれば貧血くらいなるよね。




というかこの人、私のことを"鵺姫様"って呼んだよね?
私が鵺姫だって知ってるってことだよね?




ジッと女性を見つめると、女性は何かを思い出したのかポンと手を叩いた。



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