狂愛ノ書~紅き鬼と巫女の姫~
「…これが人間界の挨拶だと書物に書いてあったのですが…?」
それはきっと外国の挨拶のことだと思います、桔梗さん……。
「…私の暮らしてる所ではこんな挨拶はしません」
私が言っても納得してない曇った表情を浮かべている桔梗さん。
桔梗さんは真面目な人なんだな。
三篠は桔梗さんにガミガミ怒っていたけど、桔梗さんは軽くあしらっていた。
二人とも美しいけど、内面は三篠が子供っぽくて桔梗さんは大人っぽいな。
言い争いがひと段落すると、三篠は私の方を見た。
「小雛。桔梗は鎌鼬と人間の間に生まれた、俺と同じ半妖だ」
「…かまい……たち?」