狂愛ノ書~紅き鬼と巫女の姫~




初めて聞く名前。
というかやっぱり桔梗さんも妖怪なんだよね。




人と普通に会話してるみたいで、あまり実感がないけど。




「…鎌鼬というのはつむじ風に乗って現れて、鎌のような両手の爪で人に切りつける妖怪です。
私は半妖なので人間のような姿をしていますが、実際は人間界でいうイタチのような姿をしております」




桔梗さんが私のために丁寧に説明してくた。




なるほど。
イタチが鋭い爪を持っていて、飛べるって思えばいいかな?




「教えてくださりありがとうございます。
とても分かりやすくて、すぐ分かりました。桔梗さんは説明上手ですね」




ニコッと桔梗さんに笑いかける。




すると桔梗さんは目を見開いて、頬を赤くしていた。




そしてボンッと音をたてて、お尻からフサフサの尻尾が現れた。




その尻尾は犬が喜んでる時みたいに揺れている。




「き、桔梗さん……し、尻尾が…」




私が尻尾を指差すと、桔梗さんは慌ててお尻を押さえた。




< 92 / 201 >

この作品をシェア

pagetop