Amarosso~深い愛~の作り方♪
4.初夏は気づき
*
中間テストはなんとか乗り切った。
「なんとか~??」
怜士の眉間にしわがよる。
「だって、ほら、数学と英語は点数が上がっているじゃない」
怜士が教えていた数学と英語は点数が確かに上がった。
麗華は、国語系は平均が取れるので、そっちはセーフだ。
歴史系もまだ目を潰れる。
だが。
「この生物はなに?
暗記物だろう?
歴史系と同じだ。
なぜそれで点数がとれない」
「だって、歴史系はさあ、小さいころからなじみあるけど、生物はまったく関係ないもん」
「可愛く言って、すまされると思うな。
おまえの家が由緒正しいのはよくわかった。
だが、おまえも生物だろう!」
「ぐ~。
じゃあ、色っぽく?」
「宮内に色気はない。
とにかくだ」
髪の毛に指をすべらせ、ひじをつき、頭を支えて生物の答案用紙を見つめる。