Amarosso~深い愛~の作り方♪

機嫌が悪く、突き刺さるような視線で見ると思ったら、今度はじろじろと眺め回される。


「ま、その外見にだまされる男は、後を断たなさそうだもんな」

「うん、まあね」


軽く流したら、さらに機嫌が悪くなった気がする。


「今日は帰る。
 また明日な」


麗華があっけにとられている間に、怜士の姿は店の外にあった。

どんなに近くに車が待っていても、カテキョの後は必ず送ってくれていた。

それが今日はこんな始末だ。


「そんなに点数、悪いかな?」


麗華は家に帰らず、叔母の一枝の所に寄っていた。

叔母と言っても、自分の父とは腹違いだ。

一枝はスペインの祖父が手をつけた使用人の子だ。

手をつけられた使用人は打算で産んだ。

祖母が事実を知ると怒り狂い、劣悪な孤児院に入れ、衰弱死を狙った。

幸い、それを知ったこの北野組の先代の妻が引き取ったのだ。

その先代の妻は宮内家とは親戚筋だ。

細い血がつながっていることで、一枝はこの北野組の組長になった。

金髪碧眼の女性なのに。
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