Amarosso~深い愛~の作り方♪

「わーい」

「まだ、何も言ってないだろう」

「今泉君、優しいなあ」

「別荘には行かないって」

「だから、私も別荘に行かないで東京にいればいいって言うことでしょ?
 宿題も出ない!
 全て丸く収まるじゃない」


何が全て収まったのか。


「ご家族に相談しろよ」


しぶしぶした調子で言ったが、2ヶ月近く全く会わないということが回避できたのに、嬉しさを感じているのは事実だった。

自分はこんな気持ちのままで、やがて離れることが出来るのか。


「安心したらお腹すいちゃったな~」

「今、食ってただろう!」

「もう消化されちゃったもん」


怜士は肩を落として、レジカウンターの方を手の平で指し示した。


「どうぞ。
 いってらっしゃい」


飛び跳ねるように行ってしまった麗華の背中を見送り、物思いに沈んでしまう。
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