Amarosso~深い愛~の作り方♪

  *


「お母さま?」


麗華は低い声で呼んだ。


「なあに、麗華ちゃん」

「軽井沢の別荘に行ってるんじゃなかったでしょうか」

「あら、違うわ。
 仙石原よ」

「だとしてです。
どうしてここに?
 パパは?」

「パパは仙石原にいますよ。
 ちょっと戻ってきただけなの」

「なぜ?」

「麗華ちゃんの、いつもお世話になっている家庭教師の方に、一言ご挨拶しなくては失礼でしょう?」


うふふと笑った。


「ぜんっぜん、大丈夫だと思います。
 早く愛しの旦那様のところに帰ったら?」

「そんな、冷たいこと言わないで。
 宏樹さんから聞きましたよ。
 とても美男子なんですって」

「お母さま。
 会った事もないヒロ兄が知っているわけないでしょう。
 騙されてます」

「いいえ、宏樹さんは一枝さんから聞いたそうよ」


その繋がりか。

麗華は頭が痛くなってきた。
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