Amarosso~深い愛~の作り方♪

「じゃあ、そろそろお帰りになったら?
 仙石原に」

「まあ、麗華ちゃん冷たいわ。
今泉さんとお夕食を一緒に食べて帰ろうと思ったのに」

「いや、パパ、寂しがっていると思うよ」

「そう?
 でも、折角、将来の義理の息子がきたのにー」


水を打ったような静けさになった。


「はいー?
 お母様、どこをどう間違えれば、そうなるの!」

「麗華ちゃん。
 その言い方はなんですか」

「いや、いま問題はそこじゃないから」

「いいえ、レディーがそんな言葉遣いではいけません」


麗華の母の眦が釣りあがった。


「ですから。
 この方は級友ですので、お母さまの勝手な想像はおやめください。
 それでは勉強して参りますので!」


一気にまくし立てると、怜士の腕を掴んでひっぱりたたせ、部屋から引きずり出した。


「立派なレディー言葉だったな」


静かな口調に見上げると、にやにや笑っていた。
< 135 / 273 >

この作品をシェア

pagetop