Amarosso~深い愛~の作り方♪
「家に図書室があるとは思わなかった」
「おじい様、蔵書家だったの」
「へえ~」
書棚の背表紙を目で追う。
「初版本も多そうだな」
「それだけで一財産になるらしいよ。
読み辛いのに、何がいいのかわからないけど」
「豚に真珠とはよく言ったものだよなあ」
「ほんとだね~」
麗華はスルーして長机についた。
よっぽど怜士の興味がそそられるらしく、麗華を教えながら本棚から本を引き出してきてはページをめくっている。
やがてノックの音がして、ティーセットを載せたお盆を持って使用人が入ってきた。
その後ろには麗華の母だ。