Amarosso~深い愛~の作り方♪
「どうかしら?
休憩にいたしましょう?」
そう言ってちゃっかり怜士の隣に座っている。
「ご覧になって。
これが先ほど言いました、お友達の写真なの。
ご親戚にいらっしゃるかしら?」
「残念ながら。
親せきでもないようです」
怜士は躊躇いがちに返答した。
麗華も反対側から身を乗り出して、覗き込む。
「似ているように見えないんだけど」
「お顔の表情のつくり方や物言いが似てらっしゃるの。
お母さまでないなら、叔母様かしらと思ったのだけど」
ため息をついて、アルバムを閉じた。
「お母さまの友達なら、今度会った時に聞いてみたら?」
「そうね」
「どうしたの?」
「宏樹さんが生まれた時に、お祝いに来ていただいたのだけど・・。
しばらくして、行方がわからなくなってしまって」
「誘拐?」
「なのかしら。
ご家族の方も随分探されたのに。
とうとうわからずじまい」
麗華の母はそっと息を吐いた。