Amarosso~深い愛~の作り方♪
「うちの学校、結構、事なかれ主義だから。
先生に言ったら、いじめた長田だけ罰せられて終わりだよ。
張本人の白木まではいかない。
わかってるクセにねー。
誰かがやらなきゃいけなかったってこと」
「相談してくれたら、何か違う方法がみつかっただろう」
このままだと最悪、退学だ。
「ありがと」
微笑の含んだ目でちらりと見上げられて、礼を言われる。
「なんか、心配してくれているみたいだけど、大丈夫だし。
退学までは行かない。
学校もばかじゃないから。
旧華族で大会社経営者の生徒と俳優の生徒を天秤にかけて、とるのは決まってるじゃない?
うちのパパ、結構毎年、寄付金しているから、それをみすみすフイになるようなことはしないでしょ。
ということで、私がこの役目をやらなきゃいけなかったってこと」
怜士は口をつぐんだ。
麗華は勉強と言われるものはダメだが、違う頭は回るらしい。
「すっげー上から発言だな」
嫌そうな声に麗華はくすくすと笑った。