Amarosso~深い愛~の作り方♪
「前に言ったことあるじゃない?
それなりの務めがあるって。
こういうこともその一つなんだよね。
じゃ」
軽く手を上げて、応接室のドアをノックすると、入って行った。
そして麗華は3日間の停学になった。
教訓。
麗華の停学は、自分の首を締める。
停学の間、放課後に宮内家へ行っては、その日の全教科をレクチャーした。
好きでやっていると言えば、それまでだが。
応接室に入る前の言葉を思い出すと、何もしないというのは憚れた。
しかし初日に麗華の父と兄に初めて顔を合わせ、彼氏でもないのになぜこのシチュエーションに飛び込むかと、
自分で苦い思いになった。
兄の宏樹は穏やかな表情で、“面倒を色々みてくれているみたいで、ありがとう”と、これまた穏やかな声で言
った。
麗華の父には、握手を求められ、じっとみつめられた。
ここで怯んでは、やましいことがあるということになる。
怜士もみつめかえした。
それがよかったのか、もう片手で肩を叩かれて、よろしく頼むと静かに言われた。
含みが大きかった気がしたが、気のせいだろう。