Amarosso~深い愛~の作り方♪

しかし麗華の父に会い、納得した。

麗華は父親似だ。

そして麗華の母が初めて会った時に、惚気ていたのも納得した。

モノクロ映画時代のアメリカの俳優のように整っている。

声も渋い。

スペイン人だというが、ラテン系というよりアングロサクソン系の体形だ。

父と兄が、男の標準にいれば、麗華がストーカーされようが襲われようが、男性不審にならないのも納得だ。

見る目も厳しくなりそうだが。

停学の最終日、やっと今日で放免だと思っていたところに、麗華が口を開いた。


「あ~あ、こんなんだったら、グーで殴ればよかったなあ」

「やめてくれ。
 平手で傷が残らなかったから、3日なんだろ。
 これで拳だったら、アザになって一ヶ月だ」

「だから、今度はグーにする。
 朝早く起きなくていいって、すっごい解放感」

「いい迷惑」


こっちの苦労も知らず。

忌々しそうに言うと、次の教科の教科書を取り出した。

その解放感は態度にも服装にも表れている。

残暑が厳しいからと言って、タンクトップに短パン姿だ。

しかも椅子の上で平気であぐらをかいている。
< 148 / 273 >

この作品をシェア

pagetop