Amarosso~深い愛~の作り方♪
しかし麗華の父に会い、納得した。
麗華は父親似だ。
そして麗華の母が初めて会った時に、惚気ていたのも納得した。
モノクロ映画時代のアメリカの俳優のように整っている。
声も渋い。
スペイン人だというが、ラテン系というよりアングロサクソン系の体形だ。
父と兄が、男の標準にいれば、麗華がストーカーされようが襲われようが、男性不審にならないのも納得だ。
見る目も厳しくなりそうだが。
停学の最終日、やっと今日で放免だと思っていたところに、麗華が口を開いた。
「あ~あ、こんなんだったら、グーで殴ればよかったなあ」
「やめてくれ。
平手で傷が残らなかったから、3日なんだろ。
これで拳だったら、アザになって一ヶ月だ」
「だから、今度はグーにする。
朝早く起きなくていいって、すっごい解放感」
「いい迷惑」
こっちの苦労も知らず。
忌々しそうに言うと、次の教科の教科書を取り出した。
その解放感は態度にも服装にも表れている。
残暑が厳しいからと言って、タンクトップに短パン姿だ。
しかも椅子の上で平気であぐらをかいている。