Amarosso~深い愛~の作り方♪

麗華は教科書から、ちらりと説明している怜士を盗み見た。

耳元に囁かれた時の声。

間近にあった端正な横顔。

背筋がぞくりとして、そのまま胸に倒れこみそうになった。

ま、どうせ今泉にとっては食用外だし。

しょうがないよな~。

麗華は思わずため息をつくと、怜士がぎろりと睨んだ。


「いい反応だな」

「あ、申し訳ございません」

「そういえば」


自分でも何がそういえば、で、なぜこのタイミングで口が滑ったのかわからない。


「椋木と付き合うことにしたの?
 だったら、このこと不味かったな。
 というかカテキョ自体、大丈夫なの?
 止めるのか、理解してもらうのか、知らないけど」

「はあ?」

「ああ、まだコクられてないの。
 まあ、いいや。
 はい、54ページ」

「なんだか、よくわからないんだけど。
 そうですか」


麗華は少し不機嫌に眉根をよせて、古典の教科書を開く。
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