Amarosso~深い愛~の作り方♪

「あら、不思議。
 エプロンするだけで、バリスタの出来上がり~」

「ばかか」

「だって、雑用がいいって言ったじゃない。
 だから、フロアじゃなくて、バリスタ。
 嫌ならやる?フロアスタッフ。
 老若男女のお客様は神様、にっこり笑って、注文とってくる?」


ぐっと言葉に詰まる。


「でしょ?
 はい、エスプレッソマシーンの使い方」


冊子を渡された。

クラスとしてカフェをするのが決定したのはわかっていた。

だから雑用といったら、せいぜい裏で菓子を箱から出しておくとか、ゴミ出しをするとかだと高をくくっていたのだ。

それが人前でエスプレッソマシーンを使いこなせだと。

しかもこの説明書はイタリア語じゃないか。

大体、高校生の文化祭の茶店で、本格カフェに置いてあるエスプレッソマシーンが出てくるんだ?

胸の中で悪態をつきながら、なんとなくセッティングして抽出してみる。
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