Amarosso~深い愛~の作り方♪

「お、さすが」


菓子をショーケースに並べながら麗華がにやにや笑っている。


「やっぱり、ペルシャ猫だ。
 いやチャシャ猫か」

「なんか言った?」


怜士は返答せず、自分で淹れた1杯目に口をつけて、顔をしかめた。

そのままゴミ箱に投げ捨てる。


「うわっ。
 分別してよ」


見事に無視しているのに、麗華は“俺様め”とぶつぶつ言いながら、紙コップを違うゴミ箱に移す。

飲み残しはバケツに決めたのに、これは変更しないといけないようだ。

2杯目も同じように、相当な不機嫌な顔でゴミ箱に投げ捨てられた。

麗華も同じように紙コップを別のゴミ箱に捨てなおす。

3杯目を口につけてから、ゴミ箱の横で、腰に手をあてて待機している麗華に突き出す。

無言の睨みに麗華は大人しく受け取って、飲んだ。


「お、いいじゃない。
 さすが今泉」


ふんと鼻で笑われたが、機嫌は直りつつありそうだ。
< 161 / 273 >

この作品をシェア

pagetop