Amarosso~深い愛~の作り方♪

麗華は中断していた自分の作業に戻った。

横目で様子を伺うと、スチームミルクの作り方に励んでいる。

能力高いから、何とかなりそうだと思っていた読みはあたりだ。

段々と動作が様になってくる。

開場時間になると、早々に麗華たちのカフェは満席になった。

教室の四方は天井から布を垂らし、床も薄い麻布を敷いて、落ち着きのある空間を演出。

保護者受けは良かった。

そしてバリスタが怜士なのに、高等部だけでなく、他校の女子たちも客として集まってくる。

にっこり笑って注文はとれないと言っていたくせに、話しかけられると、手を休めずに優しく答えている。

飲み終わった女子たちがそばに集まるので、人込みができて、あまりよろしくない。

ってか、邪魔!

なんとか追っ払え、と怜士に身振りをすると、無視された。

そうかいそうかい、ならば、はべらせとけ。

むっとした麗華は嫌味のようにオーダー表を並べていく。

怜士が一度、ぎらりとにらんだが、しらんぷりをした。

盛況な結果、用意していたコーヒーの粉が無くなり、早めの店じまいとなってしまった。


「コーヒーの粉、届けさせようかな」

「やめてくれ」


ぼそりと呟くと、速攻で返された。
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