Amarosso~深い愛~の作り方♪

「じゃあ。
 考えとく」

「カテキョと同じ?
 ものすごく落ち着かない」

「こっちは弱みを握っているみたいで、気分いいけど」

「性悪っ」

「まあね」


怜士はにやりと笑って立ち上がった。

空になったペットボトルをゴミ箱へ投げ捨てる。


「性悪なんで、一足先に帰って後片付けを手伝ってくるから」

「げ」


麗華はあわててペットボトルのふたを締めた。


「ああ、いい。
 みんなには気分が悪いらしいから少し休んでいるって言っとく。
 あなた、足痛いんでしょ。
 適当になったら、来て」


椅子の下で、ローファーを脱ぎ足首を回していたのに、気付かれていたらしかった。


「えっと。
 サンキュ!」


遠ざかっていく背中に投げかけると、軽く片手をあげた。


「無駄なんだよ」


思わず麗華はつぶやく。

無駄にかっこよくて、無駄に優しい。

それってある意味残酷なんだよね。

麗華は力なく笑い、ペットボトルを握りしめた。
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