Amarosso~深い愛~の作り方♪

「あ、そうだ。
 一昨日、実験教室だった。
 これノート」


言われたとおり、麗華は月に1回、小学生に混じって実験教室に通っていた。

元々、小学校の先生になるのが夢だっただけあって、楽しいらしい。

バカにされなかったか?と聞くと、1年生だから素直に懐いてくれた、と言っていた。

怜士が実験教室のノートを受け取って、目を通しているのを麗華は見つめていた。

二重の切れ長の目がノートの文字を追うのに、少し伏目になる。

その落ちた影が、憂いて見えてそそられる。

長いが少し関節が目立つ、男らしい指がページをめくった。

佐和とは別に、好きな人がいるらしいのは、当に気付いていた。

それでも点火祭の日、カテキョは休み、と言われたらヘコむ。

恋愛対象外とわかっているから、自分は誘うつもりは無い。

このバランスを崩したくない。

カテキョさえなくなるのは嫌だ。

点火祭の日を逃せば、また怜士がその好きな人とくっつく日は遠のくわけで。
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