Amarosso~深い愛~の作り方♪
点火のために、一際照明が落ちた時、怜士は髪の毛に顔をうずめた。
麗華の頭が動いて、問いかけるように黒い瞳が見上げる。
誘われるように、ふっともう一段、屈みこんだ。
互いの息がくちびるに触れる距離で、怜士は自分が何をしようとしているのか気が付いた。
身を起して、再び麗華の頭にあごを載せる。
「点いた」
いつものしごく平坦な声。
麗華はツリーへ振り返った。
一段目が点灯をしている。
頭にあごが載せられ、怜士の表情はわからなかった。
多分、この間ゲームセンターで言っていた、条件反射か。
どぎまぎした自分がバカだし。
でも、おしかった。
最後、こっちから引っ張れば良かったか。
条件反射だろうがなんだろうが、1回ぐらい良くない?
次々と点火していくツリーを眺めながら、麗華は胸の内で無駄に突っ込んでいた。