Amarosso~深い愛~の作り方♪
「うわっ。
どうしたの?」
「大きな蜂がいた」
「スズメバチ?」
「たぶん。
巣があるのかもしれない。
先生に言った方がいい」
怜士は麗華を見つめ降ろした。
しばし沈黙になる。
見つめられているのに、具合が悪くなり麗華は首を傾げた。
「悪い。
今日、ちょっと用事ができて、カテキョできない」
突然の成り行きに麗華は驚いてきょとんとする。
「ああ、うん」
「スズメバチの件、先生に頼んでいい?」
「うん、もちろん」
「じゃあ明日な」
「うん、じゃあ」
怜士が教員室へ行くの待っているのを感じ、麗華は歩き出した。
麗華の姿が廊下の角を消えると、怜士はきびすを返し、春めいた陽がそそぐ外へ出た。