Amarosso~深い愛~の作り方♪
そしてその移動の時に、男子と一緒なのを見てしまうと胸が沸き立つ。
進展してしまうかもしれないのに、何の手も打てない歯がゆさ。
せいぜい、自分の姿を何気なく麗華の視線にひっかけるぐらい。
自分の存在を忘れられない程度に。
カテキョの件は大丈夫だろうか。
成績は落ちていないか。
心配ばかりする。
それとなく麗華のクラスメートに聞くわけにもいかない。
誰に聞いても、自分がそれを気にしていることは憶測を呼ぶだろう。
そして離れることのない監視もある。
アイーシャが側にいてからのメリットは、無闇に告白を受けなくなったことか。
それ以上にクラスメートとの付き合いもほとんどない。
側にいるアイーシャとも関わりたくなくて、休み時間はスマホをいじるか、イヤホンを耳に突っ込み、目を閉じているかだ。
1学期が終わり、夏休みに入るという時、怜士は決心をした。