Amarosso~深い愛~の作り方♪
あの性格で参加しないわけが無かった。
カモシカのように軽快にテトラポットの上を跳ねている。
危惧していたように、男子がちょっかいを出し始めた。
名前は知らないが同じクラスメートだ。
なぜか一つのテトラポットの上で押し相撲が始まった。
バカか、あいつは。
力で勝てるわけが無い。
互いの手の指を組み合わせて、押し合いをしているのも気に入らないが、それが解けて、麗華の体に触って押し
ているのはもっと気に食わなかった。
気に食わないというレベルじゃない。
視線で殺せるなら、殺している。
ふっと麗華がバランスを崩した。
意図か弾みでか知らないが、胸に触られたのに怯んだのだ。
そのまま海に落ちる。
怜士は座っていた窓枠から、腰を上げかけた。
突き落とした男子が慌てて、手を差し伸べる。
その脇から、伸びた麗華の腕をつかみ、引き上げた男がいた。