Amarosso~深い愛~の作り方♪
なぜ男子に紛れて、麗華の姿があるのか。
唖然とする。
対等にやりあっているように見えるが、男子は麗華の体に障って喜んでいるとしか見えない。
「眉間にしわが寄ってるわよ」
アイーシャの言葉に見て見ぬふりをすることにしたが、柔道の寝技が入ってきたのが限度だった。
パシッという木の叩きつける音は、騒ぎの中でも切り裂くように響き渡った。
一瞬で水を打った静けさになり、皆の視線が一斉に集まる。
視線の先では、怜士が広間から出ていくところだった。
その勢いから開けられた襖は下桟から外れていた。
なんとなくバツの悪い思いにかられ、麗華は乱れた髪の毛を手ぐしで解いた。
「喉が渇いたから、飲み物買ってこよっと」
誰とも無く呟くと広間を出た。
ここはちゃんと、怜士が出て行った出口より一番遠い襖から出て、しかも反対方向へ行く。
「宮内」