Amarosso~深い愛~の作り方♪
でも彼も多分、一人になりたかったのだろう。
そういうところは同類だ。
人の気配に向こうも顔を向けた。
「ハイ」
「ああ」
カテキョを止めてから、会話なんてずっとしていない。
何と言ってわからず、思わず外人のような挨拶になる。
怜士はミネラルウォーターのキャップを外すと、一口飲んだ。
喉があらわになって、ごくりと動くのを見つめてしまう。
その首筋に顔をうずめたくなる。
吸い寄せられるような空気感。
女には不自由しない人生を歩みそうだ。
実際そうだし。
麗華は視線を外すと、自販機に向いなおってオレンジのサイダーを選んだ。
炭酸飲料はキャップがきつい。
開ける体勢に気合が入る。
「開ける?」
怜士が聞くのと同時に、ガスの抜ける音がして蓋が緩んだ。
「必要なかったな」
くすくすと笑われた。