Amarosso~深い愛~の作り方♪
10.冬はやっぱり罠を張る
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キスの夜から、麗華と顔を合わせることなく、修学旅行は終わった。
怜士が慎重に行動をしたこともある。
アイーシャに、麗華への感情の強さを悟られるのは危険だ。
だが胸の中がずっと渦巻く感じは薄れなかった。
腹立たしさと不安と、恐れ。
クラスでは期末の前の点火祭が話題になっていた。
麗華は美和と行くらしいと、男子が噂をしているのを耳にした。
またイライラする。
他の男ではなく、美和とでなら、まだマシ。
そう思うしかなかった。
あれから一年か。
あまりにも無意味に時間が過ぎたようで愕然とする。
去るまで、もう何ヶ月も無い。
このまま去って、いいのか。
怜士の中には不安が大きくなっていた。
麗華に自分の痕跡を何も残せていない。
このままだったら、自分の事などあっさりと過去になるだろう。
だといって、どうする?
方法が思いつかず、あせりばかりが募っていく。