Amarosso~深い愛~の作り方♪
11.あなたへ残すもの

   *


「サンキュ」


その言い方は、ノリで言われた告白に対するように軽かった。

違うのに。

でもわかっていた。

あえてそういう言い方をしてくれたってこと。

タイプじゃないんだって、ずっとわかってたけど。

彼が去る前に、絶対、言っておきたかった。

だからいいのだ。

結果はわかってた。

自分の震えている息づかいが嫌だった。


「岡﨑さん、何か音楽かけてくれる?」

「はい」


車の中で音楽を流すのを麗華が嫌うため、何も用意していない岡崎はラジオをつけた。
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