Amarosso~深い愛~の作り方♪
浴衣姿につられた友人と茶道部の茶会で一服し、廊下に出た時だった。
ガラス張りの渡り廊下を歩いてくる人がいた。
「うお」
友人が思わず小さく声をもらしたのも良くわかる。
ハーフだとわかる派手な顔立ちに、ウェーブのかかったロングヘア。
8頭身かもしれないと思うほど小さな頭部に、長い足。
男に立ち止まって見られることなど慣れっこなのだろう。
怜士たちが見ていることに気にも留めていない。
一瞥もしないで目の前を通り過ぎていった。
「すっげ」
怜士は無言のまま、彼女とは反対方向へ歩き出した。
同じ敷地にある中等部の制服を着ているから、同い年かそれ以下だろう。
他人から見て、およそ自分にはありえないだろうから、面白いかと思った。
志望動機が女がらみ、ということが。