あたしに明日は来るのでしょうか。



「あ、赤くなんてなってないよ?」


ヘラッと頬を緩ませながら、榊を見る。


第一、痛かったのは痛かったけど、赤くなってるなんて言い切れないもん。


だから、赤くなんてなってない。


うんうん頷きながら、1人納得する。


「お前なぁ......自分の顔を、鏡で見ろ」


ため息をついた後、呆れたように言葉を発する榊。


そんな榊に、少しむっとする。


「赤くなってないって‼︎ そんなたいした事じゃないから‼︎」


そう言い終わった後、ハッと我に返る。


いつのまにか、大きい声を出していたみたいで。


教室内のざわつきが少し小さくなる。


思わず、バッと手で口を押さえるけど、もう過去の事だし、どうにも出来ない。


どうしよう...


そう1人でもんもんと考えているうちに、気づけばいつもの、賑やかな教室に戻っていた。


それに少しホッとする。



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