あたしに明日は来るのでしょうか。



机がある場所まで引っ張られると、パッと解放された。


「はぁ......」


やっと離してくれた。


そう思いながら、ため息をつく。


「薫。今日はしっかり練習して帰ってね」


やっと離してくれたと安心したのもつかの間、黒い笑みを浮かべてそんな事を言った陽架里に、ゾクリと鳥肌が立つ。


いくら陽架里でも、こんな黒い笑みを浮かべたのを見たのは、初めてだ。



......女は怖い。


そんな言葉がふと頭に浮かんだ。



「薫? 聞いてんの?」


「あ...き、聞いてる聞いてる‼︎」


危ない危ない。


ちょっとボーッとしてた。



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