あたしに明日は来るのでしょうか。



「だってさ、お互い好きなヤツとか話したことねーし、話が出てこねーのは当たり前じゃん」


「まぁ......そうだよな」


言われてみれば、友達の好きなヤツとか知んねぇ。


俺はいねぇし、話したこともねぇ。


「で、お前は好きなヤツいねーの?」


「だからいねぇって」


何回言えば、納得してくれるんだよ。


海を見れば、少し考える素振りをした後期待の目で俺を見てきた。


「じゃあさ、気になるヤツとかはいねーの?」


その言葉を聞いた瞬間、思わずピシリと固まる。


気になるヤツ......


「お、その反応はいるんだな⁉︎」


キラリと目を光らせてくる海に、思わず目を逸らす。


そんな俺に確信を抱いたのか、


「はい、けってーい‼︎」


そう言って満面の笑みで椅子から立ち上がった。



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